ERP教育研究所の理事として、奈良学園大学 人間教育学部 松井典夫先生からコメントを頂きましたので、ご紹介させていただきます! 今号で目を引いたのは、冒頭2本の原稿がどちらも海外に視線を向けたものだったことです。島崎氏の「微笑みを失った国 タイ・バンコクにて」では、かつての「微笑みの国」が、その微笑みを失った要因について言及され、従順さを育んで(しまって)いると述べられています。私は毎年、学生を引率してカンボジアを訪れます。そこには、まだ微笑みがあふれています。私がカンボジアに惹かれるのは、貧しくとも微笑みを絶やさず、「今日より明日は、きっとよくなる」と無邪気に信じて生きている姿に感銘を受け、自身の矮小な生き様を省みさせてくれるからです。しかし、おそらくカンボジアからも、島崎氏が指摘する種々の要因から、微笑みが失われる気もしています。それが国家の、国民のある種の成熟なのかとも感じています。 しかし、それを感じることができるのも、海外を訪れるからです。その重要さについて、矢野氏の「アウトバウンド」が述べています。インバウンドで沸くことは経済的な潤いへの期待であって、実は日本人の成長へとつながることなのではないと、矢野氏の原稿から感じられました。先のカンボジア研修で、学生たちはクメール人と日本人の道徳性に対する考え方、意識の持ち方の違いに驚く場面がありました。それは、海外に出たからこそ実感し得たことであり、海外に出てはじめて「自分は日本人なのだ」と知り、次に「同じ人間なのだ」という考えにつながっていくのでしょう。 お二人の原稿から改めて考えさせられたのは、人の生き方、国のあり方を含めた「多様性」(ダイバーシティ)の大切さであり、「多様性の許容が微笑みを守る」のだということでした。 以上です。素敵なコメントを頂きありがとうございます。 教育PROは皆様からの感想を募集しております!お気軽にこちらからお願いいたします!
2019年4月17日
5:41 PM |カテゴリー:
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