今回の表紙は宝塚大学の、看護学部・助産学専攻科(大阪梅田キャンパス)と東京メディア芸術学部・大学院(東京新宿キャンパス)です。
宝塚大学は「ハートの看護をアートで学ぶ」(宝塚大学 看護学部紹介ページ)というキャッチコピーから伺い知れるように、芸術を通じて医療現場でも必要とされるあたたかな心配りや、患者を癒すための知識を学ばれています。人間性を育む際にも、芸術的視点を高めることは非常に効果が高いものであると感じます。一味違う学びのイメージに興味津々な方も多いのではないでしょうか。
・教師は子どもたちのお手本
「オピニオン」コーナー、一色尚氏(前東大阪大学・東大阪大学短期大学部学長)が、さまざまなエピソードを交えながら、子どもたちのお手本となる教師の教養、良識や人間性の大切さについて書かれています。
教育者ならずともハッとさせられる常識・非常識の境目や、社会の知識、子どもに対するふさわしくないお話の例などを述べられています。たくさんの実例から、その様子がありありと浮かび、自らもそういったことはしないように気を付けようという啓発的な気持ちになり、大変ありがたく読ませていただきました。先生からの視点で率直かつシビアな、大変参考になる記述がたくさんです。濃密なエピソードが続きますので、こちらは是非本誌にてご一読くださればと思います。
<編集後記>
今号も力作ぞろいの寄稿が集まりました。「時評」では、大倉健太郎氏(武庫川女子大学)が「外国の子育て支援とその陥穽」の論考を寄せています▼同氏は、北欧・フィンランドの充実した教育・子育てシステムや社会保障制度が陰りを見せている現在の社会状況を取り上げ、その要因や背景を述べるとともに、日本でも経済成長と社会福祉の充実をめざして進められた「家族計画運動」の教訓を分析、少子化と出生率の減少が焦眉の解決課題となっていることを論じています▼「Opinion」の磯田文雄氏(名古屋大学)は、「忙しく、忙しく、そして、学級崩壊」と題し、新学習指導要領の改訂で教える内容が急増する学校現場にもかかわらず、「働き方改革」が、現場の忙しさに拍車をかけ、学級崩壊に至るほどであると警鐘を鳴らしています▼また、定期的に旅の紀行を寄せていただく西川仁志氏(大阪城南短期大学)は、「若山牧水『みなかみ紀行』を往く」というタイトルで随想文を寄せています。(編集長:佐藤安市)
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